公示価格と実勢価格は、どれだけ違うのか
公示価格と実勢価格の差を、国土交通省の地価公示(2026年)と実際の不動産取引価格(2025年)を突き合わせて調べました。110市区町村で0.53倍から1.47倍まで開きがあります。
結論:実勢価格は、公示価格の0.53倍から1.47倍まで開く
国土交通省の地価公示(2026年・住宅地)と、実際に成立した不動産取引の価格(2025年・宅地の土地)を、同じ市区町村どうしで突き合わせました。1平方メートルあたりの中央値で比べています。
対象になった110市区町村のうち、実勢価格が公示価格を上回っていたのは60市区町村、下回っていたのは50市区町村でした。全体の中央値は103%です。
つまり「だいたい同じくらい」の街が多い一方で、街によっては2倍近い開きがあります。
0.53倍 〜 1.47倍
同じ公示価格でも、実際の取引はこれだけ開きます(110市区町村)
中央値は103%。上回ったのが60市区町村、下回ったのが50市区町村でした。
| 市区町村 | 公示価格 | 実際の取引 | 取引÷公示 | |
|---|---|---|---|---|
| 最も高い | 東京都江東区 | 636,500円/㎡ | 933,333円/㎡ | 147% |
| 最も安い | 三重県津市 | 38,400円/㎡ | 20,455円/㎡ | 53% |
出典:国土交通省 地価公示(2026年・住宅地)/不動産取引価格情報(2025年・宅地の土地)。1平方メートルあたりの中央値で比べています。
公示価格・基準地価・実勢価格は何が違うか
土地の値段を表す言葉はいくつかあります。まず、この記事で扱う3つを整理します。
- 公示価格(地価公示)=国土交通省が、毎年1月1日時点の価格を標準地について公表するもの。不動産鑑定士の鑑定評価にもとづく
- 基準地価(都道府県地価調査)=都道府県が、毎年7月1日時点の価格を基準地について公表するもの。仕組みは公示価格とほぼ同じ
- 実勢価格=実際に売買が成立した価格。国土交通省が「不動産取引価格情報」として、取引した人へのアンケートをもとに公表している
実勢価格が公示価格より高かった街
上位に並んだのは、東京23区の東側と、大阪府下の市でした。
| 市区町村 | 公示価格 | 実際の取引 | 取引÷公示 |
|---|---|---|---|
| 東京都江東区 | 636,500円/㎡ | 933,333円/㎡ | 147% |
| 東京都墨田区 | 671,000円/㎡ | 970,588円/㎡ | 145% |
| 埼玉県草加市 | 149,000円/㎡ | 203,704円/㎡ | 137% |
| 大阪府吹田市 | 230,000円/㎡ | 311,266円/㎡ | 135% |
| 大阪府茨木市 | 180,500円/㎡ | 242,424円/㎡ | 134% |
| 千葉県八千代市 | 106,900円/㎡ | 142,857円/㎡ | 134% |
| 東京都港区 | 2,750,000円/㎡ | 3,666,667円/㎡ | 133% |
| 大阪府高槻市 | 167,000円/㎡ | 218,615円/㎡ | 131% |
1平方メートルあたりの中央値。公示地価の地点が10以上あり、2025年の取引が30件以上あった市区町村に限っています。
実勢価格が公示価格より安かった街
下位に並んだのは、地方の中核的な市でした。
| 市区町村 | 公示価格 | 実際の取引 | 取引÷公示 |
|---|---|---|---|
| 三重県津市 | 38,400円/㎡ | 20,455円/㎡ | 53% |
| 群馬県伊勢崎市 | 35,800円/㎡ | 21,687円/㎡ | 61% |
| 茨城県つくば市 | 50,900円/㎡ | 31,429円/㎡ | 62% |
| 埼玉県川越市 | 144,500円/㎡ | 90,667円/㎡ | 63% |
| 愛知県一宮市 | 82,000円/㎡ | 56,000円/㎡ | 68% |
| 茨城県水戸市 | 40,600円/㎡ | 27,778円/㎡ | 68% |
同上。1平方メートルあたりの中央値。
なぜ差が出るのか
差が生まれる理由はいくつか考えられます。ここに挙げるのは一般的に指摘される要因であり、個別の街について本サイトが原因を特定したものではありません。
公示価格は年に1回、1月1日時点の評価です。1年のあいだに需要が動けば、実際の取引はその評価から離れていきます。買いたい人が多い場所では上に、少ない場所では下に離れやすくなります。
また、公示価格が調べているのは「標準地」として選ばれた地点です。実際に売買される土地は、面積・形・道路との接し方がそれぞれ違います。狭い土地や形の悪い土地が多く取引されれば、単価は標準地と違う水準になります。
この比較の限界
上の数字を読むときは、次の3点に注意してください。
- 比べているものが完全には一致しない。公示価格は「標準地」の評価額、実勢価格は「実際に売れた土地」の価格です
- 対象は110市区町村。公示地価の地点が10以上あり、かつ2025年の取引が30件以上あった市区町村に限っています。全国1,741市区町村の集計ではありません
- 時点がずれている。公示価格は2026年1月1日時点、取引価格は2025年中の取引です
自分が調べたい住所ではどうか
本サイトの住所調査ツールでは、住所を入力すると、その場所の最寄りの公示地価と価格の推移、周辺で実際に成立した取引価格をまとめて表示します。登録は要りません。
あわせて、用途地域・建ぺい率・容積率、災害リスクの想定、通学区域も同じ画面で確認できます。
この記事で使ったデータ
出典:国土交通省 地価公示(2026年)/国土交通省 不動産取引価格情報(2025年)。いずれも不動産情報ライブラリを通じて取得しました(2026年8月29日時点)。
集計方法:公示価格は用途区分が「住宅地」の地点、実勢価格は種別が「宅地(土地)」の取引に限り、市区町村ごとに1平方メートルあたりの中央値を求めて比べました。
本サイトの情報は参考情報です。売買・相続などの判断は、一次情報の確認と専門家への相談を経て行ってください。
このページで扱っている内容は地価・取引価格の一部です。関連する制度やデータをまとめて確認したい場合は、地価・取引価格のページもご覧ください。
土地の条件は地域によって大きく変わります。 市区町村ごとの地価・用途地域・災害リスク・人口は地域から探すにまとめています。 住所が決まっている場合は住所から調べるで、 その場所の用途地域・災害リスク・土地の値段の目安をまとめて確認できます。